ドクターリレーコラム
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サイト掲載日 2018年03月27日
当地方における屈折矯正手術の現況
当院は10数年前、レーシックを始めるにあたって、知名度が全くないのを危惧しました。研鑽を積み、宣伝広告を十分に行って始めたのですが、レーシックは思うように増えず、白内障の患者さんが増えてきたのが、予想外でした。東京まで新幹線で1時間半ですので、東京をめざして、患者さんが集まっていくのは、やむをえません。それでも少しずつ増えたのですが、例の「大量感染」事件以後、ぱったりと途絶えたままです。スマイル希望の方は、年間数名程度。入れ替えた新品のVisuMaxやMEL80 は角膜移植やPTKで使うのみで、宝の持ち腐れ状態がつづいています。このような現象をどうとらえるか、というのが、今回の課題です。
「10年ひと昔」とは、古くから言われてきたことです。35年前の開業当初は、衛星放送はなく、携帯電話のはしりである「ショルダーフォン」もありませんでした。医事コンピュータや電子カルテなどのコンセプトもなく、建物にそのための配管などもありません。そのような旧態依然としたなか、平成元年に現在の建物を新築したのですが、10年ほど過ぎたころ、営業実績が低下してきたのに気が付きました。盛り返そうと始めたのがレーシックです。レーシックのおかげで、盛り返しはしたのですが、10年ちょっとでレーシック自体が低迷に陥ってしまったのです。
実はレーシックを始めたころから、専門業者と契約して「リスティング広告」を取り入れ、今でも毎月レポートをもらっています。キーワードを40ほど作り「インプレッション数」、「クリック率」を報告してもらうのですが、当初はレーシック関係のキーワードが上位でしたが、現在レーシック関係のインプレッション数は多くて30/月程度。クリック率は0%が続いています。「仙台市眼科」というキーワードが27.000/月のインプレッション数であるのに、です。当地方は転勤族が多く、5年もたつと人口の半数近くが入れ替わると言われます。リスティング広告の結果からの判断ですが、少なくとも当地方では、レーシック関係のニーズはほとんどなくなったのではないかと思うようになりました。諸先生方の地域ではいかがでしょうか。
仙台市 佐藤裕也眼科医院
佐 藤 裕 也